私ごと

自分の観点を言語化しておくブログ

ジョブ型と少子化と家族構造と

きっかけはこのツイート。リプ欄にもあるように、家族構造と合わせてのべる話もあります。この説はあまり自分は持ち合わせていなかったので、考えを巡らせてみる。これらは、客観根拠に基づくものではなく、私の感想ですw。

さて、個人的にはジョブ型雇用の発端は、産業構造を変えられないという話から来ていると自分は認識しています。

カニズムの概要としては、以下と思われます。

  • 昨今目まぐるしく変化する市場に対して、会社が機動的に動く必要がある。
  • しかし、いわゆるメンバーシップ型は、メンバーを固定して職務を変動させる。
  • その結果、市場の変化への対応には異動をすることになる。
  • しかし、異動しても実際はスキル不足なので、スキルが十分なメンバが揃っている会社に勝てない。
  • グローバル化で競争相手が世界になったので、それが如実に現れた。

ということで、趣旨は労働力の調達を市場からしやすくしたいということになると考えられます。 そして、メンバーシップ型と強い補完関係にある、解雇規制、新卒一括採用が揶揄されたり、 解雇→再就職の疑似的な流れとしてのリスキリングなどが流行っていたりすると思われます。

これは、アメリカだけでなく、高福祉と言われるデンマークもそうなっているようであり、産業構造転換をするに必要という認識でした。

デンマーク労働市場の概要図(https://www.bbt757.com/business/article/article/20190118-191319/より引用)

そのため、広く一般的にジョブ型の方が良さそうというのが昨今の主流と考えています。

しかし、ツイートは「漏れている部分があり悪影響があるよ」と主張していると思われます。 その漏れた部分は、同一労働・同一賃金に移行すること(=職務集団での労働組合が結成されること≒正規・非正規の区分をやめる)という主張だと想像します。

おそらく、ツイートの主旨は同一労働・同一賃金ではないことが決定的であり、既存のメンバーシップに入れる人に富の集中が起こり賃金格差ができる +専門家集団の賃金が下がりスキルを身に付けても容易には賃金が上がらないので、「教育の社会移動機能は破綻」する。 また、同時に賃金格差により、新規結婚数または子を産む意欲がさらに減るため、少子化に拍車がかかる。 ゆえに、日本市場の消費者もさらに減り、多くの企業は縮小する市場に喘いでさらに賃金が下がるだろうという話と想像します。

あり得なくないシナリオと思いますが、流動性が問題だとするのであれば、メンバーシップ型もそこまで変わらないのではないだろうか。という疑問が湧きました。

また、少子化という点では、リプ欄にもあるように家族構造の影響も考えられます。権威主義的な家族制度を持つ社会では未だ少子化が進んでいるという話もあります。 business.nikkei.com

しかし、家族構造から見ても、記事で指摘されているドイツは、デンマーク型であると聞いたことがあります。(要確認) よって、家族構造という点においても、ジョブ型が問題になることはなさそうです。

「同一労働・同一賃金に移行すること」をどのように実行するかということを考えれば良いのではないかと思います。

なお、旧来は長期雇用が会社特有のスキルを習得する動機を生み出し、競争力に寄与しましたが、 ITでそれは崩れ去ったと思われます。家族構造による知識伝達ゆえの競争力は、以前、本ブログでもまとめました。 meshitahiro.hatenablog.com

権威主義的な家族制度の下、ITの出現以降の社会をどのように築くかは、また一つ大きなテーマかもしれません。 ただし、東京においてはかなり核家族が進んでいるのではないか?と生活実感として思い、家族構造を前提にして良いのかもまた、不明確です。