IT業界に移って2年ほど過ぎましたが、ビジネス書に出てくる諸々の事象がほとんどIT業界の変化によって捉えられるような気がしているので、それを少し整理したいとおもいます。
ITを利用したサービスプロバイダは、従来自らのサービスを提供するにあたり、ITを利用する際、
1. 自らサーバーを買い
2. その上にソフトウェアを購入して
3. ソフトウェアを利用して、最終サービスを提供する
さて、近年のビジネス環境を変化させているのは、インターネット、スマホ・アプリ、クラウド(群衆)です。(総論については、以下を参照ください)
プラットフォームの経済学 機械は人と企業の未来をどう変える?
- 作者: アンドリュー・マカフィー、エリック・ブリニョルフソン,村井章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2018/03/23
- メディア: 単行本
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サービスプロバイダにとっては、以下の3つ変化になっていると思われます。
1. スマホ・インターネットによる窓口の変化
2. クラウドコンピューティングによる、サーバーレス化
3. OSSの利用
さらに、
4. サービスのクラウド(群衆)化があります。
例えば、クックパッドを考えてみます。
従来は、レシピを出版社から提供されるか良くてもインターネットのページに載っているといった具合でしょう。これが、
1. アプリやインターネットによるレシピ提供
2. パーソナライズ化
3. ユーザからのレシピ提供
という形に変化しました。
この形態が、コストとレシピの豊富さを大幅に変化させたのは、以下の要因もあるかと思われます。
1. エンジニアを多く雇う
1-1. OSSを利用可能にする
1-2. サーバーを効率よく運用する(+クラウド化)
2. 適切なプラットフォーム運用による、ユーザからのレシピ提供
さて、ソフトウェアベンダー側として見ると1の変化がとても大きなものとなります。
まず元々抱えていた問題として
1. マスのあるニーズに答えるために、機能をがつくれない
といった問題がありました。サービスプロバイダがITを一体で抱えることで、自らのサービスに合った機能を出すことができる上に、その機能をやめることもできます。
さらに、
1. 既存のサービスプロバイダが減り、市場が狭くなる
2. OSSが高機能化している(google, IBM等の支援もあり)
3. 標準機能はクラウド側から標準で提供されてしまう
という状態にあります。
先程の書籍に記載がありますが、今後プラットフォーム以外で残るビジネスは、
1. 供給サイドの差別化が有効な市場(宿泊業など)
2. 利用客が特定のブランドやチェーンにロックインされている
3. プレイヤーが少なく供給する製品やサービスが複雑な市場(発電、国防、コンサル)
と紹介されています。
3は元々IBMが取っていた戦略でした。そして、IBMはプラットフォーム化に完全に出遅れています。ソフトウェアベンダはどのように生き残れるのでしょうか。。。