マインドと社会

マインドと社会のインタラクションについて、科学技術や経済の変化を統合させながら考察します。

シャープに対する様々な言説

シャープが鴻海の案を受け入れる方向でうごいているようです。

News Picksなどでは、これは「英断」と言われています

newspicks.com

 

一方で、保守論壇では「技術流出」等でかなり批判的にとらえられています。

 

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こういった違いはどこに起因するものでしょうか。

ます、newspickでの意見は、市場というものが独立して存在しており、そのうえで、合理的選択をするべきであるという意識に基づいているものと思われます。

経営者意識あるいは市場意識であれば、

1、早い動きができるほうがよい。

2、高く買ってくれるほうに売るほうが良い。

となります。このような意見は、グローバルリズムと親和性が高いです。なぜなら、市場が「普遍的」に存在するからです。

 

一方、保守論壇の意見は、国家が定めるルールや教育を含めた制度によって、市場が支えられているという意識に基づいているものと思われます。

この意識からくる帰結は、

1、技術は人材教育から研究開発など、政治体制も含めた社会があってこそはぐくまれる。

2、技術的な独占権を他国の企業にとられることは、セキュリティー上危ない。

となります。さらに個別事情として、

1、鴻海は中国資本がかなり入っており、中国共産党の意向に逆らえなさそう。

2、中国自体が自国で技術革新を行うことができていない。

といった問題があります。このあたりは、日本もアメリカから「科学的知識に貢献もしていないのに、技術の真似だけした」と1980年代辺りでたたかれていますが、中国はもっとひどいということです。(アメリカもそれを口実にいろいろな圧力をかけたため、上記が単に口実ということもありえますが)こういう国家がパワーを持ってしまうと、世界の発展を毀損してしまいますね。

 

やはり、政治体制まで考えると、まだまだ「国民国家」という枠組みを超えて、「普遍的な市場」を想定するのは難しいと思います。このあたり、貨幣価値とは何かまで議論が行くので、次の政治体制に移行するというのは謂わんをやです。後者を支持しますが、中国でなく他の先進国であれば、前者の判断をし、公正なゲームをする方が、よいのかもしれません。

結局、土木事業や研究開発が、国によってのみ保証されるというメカニズムをどうできるかということになりそうですね。

 

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2016/2/9追記

シャープが持っている、知的財産が国防上どれだけ大事かということもポイントですね。シャープの知的財産が国防に関連していそうではないので、そういう点も含めると、前者のほうがよいのかもしれません。結局企業が異なっていると、連携はできませんし。